中国経由の激安航空券ってどう？ヨーロッパ・中東・東南アジアが通常の半額以下

中国東方航空をはじめとした、中国の航空会社が、日本発欧米行きの航空券を安く売っている理由はいくつか考えられます。

ロシア上空を飛べる
2022年のウクライナ侵攻以降、欧米や日本の航空会社はロシア上空を飛べないため、飛行距離が伸び、燃料コストや運航時間が増えています。一方で、中国系の航空会社は飛行可能なので、燃料コスト削減、飛行時間短縮、航空機の稼働率上昇で、大きな差がつきます。

マーケットシェア拡大のため
中国東方航空は、日本発の国際線市場でのシェア拡大を狙っていると考えられます。そのため、価格を下げて多くの利用者を獲得し、競争力を高める戦略を取っている可能性があります。

中国経済の減速と需要の減少
2000年代から2010年代にかけて、中国の経済成長とともに国際航空需要が急増しました。しかし、近年は景気減速などにより、国際線の需要が減少しています。稼働率を維持するために安売りせざるを得ない状況になっていると考えられます。

中国政府の支援
中国東方航空など、大手航空会社は国有企業であり、政府から補助金や支援を受けているとされています。そのため、競争力のある価格を維持しやすく、積極的な価格戦略を取ることが可能です。

中国系航空会社の安さは、経由便であること・中国政府の支援・運航コストの低さ・サービス面での違い・マーケット戦略などが影響していると考えられます。

安全性については、「コストが安い＝安全性が低い」とは必ずしも言えませんが、いくつかのポイントを考慮する必要があります。

中国東方航空の場合
◯近年まで比較的安定した運航をしていた航空会社
◯A350・B787など新しい機材も導入している
◯国の管理が厳しいため、安全基準は一定レベルを保っている
☓2022年3月に墜落事故を起こし100人以上が死亡した
☓遅延・欠航が発生しやすい

MU5735便の墜落事故が大きな懸念点ですが、これ以外に大きな事故は起こっていません。

主にコストを優先する人が多い傾向にあります。格安志向や、中国系航空会社を利用するメリットを理解している人が使う傾向です。

コスト重視の旅行者
ーバックパッカー、学生、若年層
ーとにかく航空券の安さを最優先
ー多少の不便（乗り継ぎ、長時間の移動）も気にしない

個人事業主やフリーランス
ー自己負担の出張費を抑える目的で利用
ー逆に一般企業のビジネスマンは利用しない

中国関係者
ー中国の航空会社に慣れているため抵抗感がない

片道数十時間もかけて移動すると、現地に着いたときには体力も気力も消耗しきっていて、まともに観光できない可能性が高いです。

体力的な疲労
ー機内では思うように眠れず、寝不足のまま到着
ー長時間の座りっぱなしでエコノミークラス症候群のリスク
ー乗り継ぎの空港での長時間待機がさらに疲労増加

時差ボケがよりひどくなる
ー乗り継ぎで余計な時間を過ごすことで体内時計が狂う
ー到着後、眠いのか食べたいのかもわからない状態になる

遅延のリスクが高くなる
ー乗り継ぎが多くなるほど遅延リスクは高まる
ー同様にロストバゲージの可能性も高まる

基本的には使わないです。よほどの理由がない限り、ヨーロッパへ30時間もかかる便は選ばないです。特にビジネスや短期旅行なら100%選びません。

逆に利用できるシーン
ーとにかく航空券を安く抑えたい
ー他のルートの半額以下
ー1～2か月など旅行日程に余裕がある

普通の旅行者にとって、実用的でないのは明らかです。それでも、金額差が大きければ妥協する可能性はあります。