ヨーロッパのストライキ
発生しやすい航空会社・国を紹介
ヨーロッパの航空会社は、他の地域と比べてストライキが多いとされている。理由は労働組合が強いからだが、利用者側からすると予定が狂うのでなるべく回避したいと考えるのは普通だろう。ヨーロッパ旅行をスムーズにする為にも、ストライキの多い航空会社を知ることは役に立つ。


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ヨーロッパのストライキ

日本を含めアジア系の航空会社では、ストライキはほとんど起きないが、ヨーロッパは事情が違う。航空会社はもちろん、空港職員(保安検査や給油)のストライキ、更には国全土でも行われるので、何度もヨーロッパ旅行をしていると、ストライキに巻き込まれたという人は少なくない。

2025年2024年2023年
ルフトハンザ発生発生-
フィンエアー発生発生-
ITAエアウェイズ--発生
エールフランス---
ブリティッシュ---
KLMオランダ---
近年、ストライキが多いのはルフトハンザ(ドイツ)で、航空会社だけでなく国全土で大規模なものが行われており、空港職員も参加することから、JALやANAも欠航している。そして、フィンエアーも近年増えており、日本人利用者が多いことから巻き込まれたという声が多くあがっている。
日本人からの評価は3.3
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専門家役はどう見る?

海外旅行や航空会社に詳しい専門家役に、ヨーロッパのストライキについて解説してもらう。これは膨大なデータや口コミから回答されているので、スペシャリストと同様に参考にできる。

初心者
ヨーロッパの航空会社は他の地域と比べてストライキが多いですか?
専門家役
はい、ヨーロッパの航空会社では他の地域と比べてストライキの頻度が高いとされています。ストライキが起こる理由を見ていきましょう。

1.労働組合の力が強い
ヨーロッパの多くの国(フランス、ドイツ、イタリアなど)では、労働組合が非常に強く、ストライキが合法的な権利として広く認められています。そのため、賃金や労働条件の交渉手段として頻繁にストライキが行われます。

2.国家主導または公的要素が強い企業が多い
ヨーロッパでは、航空会社だけでなく、航空管制官や空港職員などの公共部門に属する労働者が多く、こうした職種の人々もストライキを行うことがあります。たとえば、フランスの航空管制官のストはよく知られています。

3.法制度と社会文化
ストライキが社会的に容認されており、労使交渉が長引く際の「最後の手段」ではなく、比較的初期の手段として使われる傾向があります。

地域 ストライキの頻度傾向
ヨーロッパ高い特にドイツ、フランス、イタリアで頻繁
アメリカ中程度労働組合はあるがストは制限あり
アジア低いあまり頻繁ではない
ストライキは鉄道など他の交通インフラでも起こるので、無事到着できても現地で移動が制限されるケースもあります。

初心者
ストライキが多い航空会社はどこですか?
専門家役
ヨーロッパの中でも特にストライキが多い航空会社として知られているのは、ドイツ、イタリア、フランス系です。それぞれの国の労働環境や文化、組合の強さなどが関係しています。

ルフトハンザ(ドイツ)
特にパイロット組合(Vereinigung Cockpit)と客室乗務員組合(UFO)のストが頻繁。交渉が長引く傾向あり。

ITAエアウェイズ(イタリア)
歴史的に労働組合の影響が強く、イタリア全体の交通ストの一環として航空業界も巻き込まれることが多い。

エールフランス(フランス)
パイロット・客室乗務員・地上職員の各組合が強く、年間を通じて複数回ストが発生することも。フランス全体の公共部門ストと連動することも多い。

BA(イギリス)
上記3社ほどではないが、過去にパイロットや地上職員による大規模ストが数回発生。交渉が難航することがある。

航空会社だけでなく、空港自体がストの影響で機能しないこともあるので、乗り継ぎをする場合は、これらの国を避けるのも手段のひとつです。

初心者
ここ3年はルフトハンザとフィンエアーが目立ちます。逆にエールフランスは最近起こっていませんよね。
専門家役
2022〜2025年に限って見ると、ストライキの「実際の発生数」や「影響の大きさ」の面では、エールフランスよりもルフトハンザフィンエアーのほうが注意すべき航空会社となっています。

ルフトハンザ
2022年〜2025年にかけてパイロット、地上職員、客室乗務員がそれぞれ複数回ストを実施。とくにパイロットの賃上げ要求によるストは、数千便のキャンセルを引き起こした。日本線にも影響あり。

フィンエアー
2022年〜2025年にかけて空港地上支援スタッフ・客室乗務員の連続ストライキが発生。日本発着便にも影響が及び、日本人旅行者が巻き込まれるケースが多発。

一方でエールフランスは...
2022〜2025年の間に大規模な航空会社単独のストライキは発生していません。フランスでは引き続き航空管制官や空港職員のストはあるものの、エールフランス自体は比較的安定しています。

ルフトハンザ(フランクフルト・ミュンヘン経由)とフィンエアー(ヘルシンキ経由)という、日本人に定番のヨーロッパルートで影響が出ているので注意が必要です。

初心者
逆にストライキが起こりにくい航空会社はどこですか?
専門家役
ヨーロッパの中でもストライキが起こりにくいのは、オランダスイスの航空会社です。同じヨーロッパでも労使関係が安定しているのが理由です。

KLMオランダ航空
エールフランス・KLMグループだが、KLM単体ではこの3年はストライキがほぼ発生していない。スキポール空港の混雑・手荷物遅延には注意が必要だが、運航は比較的安定。

スイス インターナショナル エアラインズ
スイスは労働争議が比較的少ない国。SWISS自体もここ数年大規模なストはなし。フランクフルトやウィーン乗継を避けたい人にもおすすめ。

オーストリア航空
ルフトハンザ・グループ所属だが、オーストリア国内では比較的労使関係が安定。2022年以降目立ったストなし。

これらの国では、労働組合と企業が「対立」ではなく「協力」したり、争議になる前に三者協議(政府・労働者・経営者)で調整する文化が強くあるので、ストが回避されています。

初心者
ストライキが発生しやすい発生しにくいで航空会社を選んだ方が良いのでしょうか?
専門家役
「ストライキが発生しやすいかどうかで航空会社を選ぶべきか?」という点については、旅行の目的・スケジュールの余裕・予備知識の有無によって考え方が変わってきます。

ストの発生頻度を考慮すべき
ービジネス渡航/出張/学会/イベント参加
ー短期旅行(3〜5日)
ー複雑な乗継がある旅行

あまり気にしすぎなくてもよい
ー1週間以上の長期旅行
ー複数都市周遊で柔軟性がある旅行

旅行の目的が「ビジネス」「短期滞在」「乗継あり」なら、ストの少ない航空会社を選んだ方が安全です。

初心者
最後に、ストライキを気にしすぎるのも良くないですか?
専門家役
ストライキは「気にしすぎても損、軽視しすぎても損」な、旅行者にとって悩ましい存在です。確率は低いが影響は大きいため、備えはしておくが一番良い考え方です。

ストライキは本当に気にすべきか?
発生頻度は、ルフトハンザやフィンエアーでも、年に数回程度。全便が止まるケースはさらに稀です。多くの人は問題なく飛んでいるのが現実なので、過度に心配する必要はありません。ただし「当たったら致命的」で、予定変更・キャンセル・前泊・代替便の手配…精神的にも体力的にも消耗します。

では、SWISSやオーストリアを選ぶべきか?
これらの航空会社は便数が少なかったり、乗り継ぎが上手く行かなかったり、大手と比べると使い勝手が劣ります。ストを回避する為だけに、わざわざ利用するのは現実的ではないでしょう。

どう向き合えばいいの?
ストライキの頻発が収まるまでルフトハンザとフィンエアーを避けるのは現実的な対策です。また、旅行に影響が出ないよう「予備日」や「柔軟な行程」を設けて、予定の2日前に到着するといった対策も有効です。

ストライキは、雨の予報に少し備えるようなものです。多少濡れても困らない工夫をして、楽しみを優先するのが賢いやり方です。

近年、ストライキが多く発生しているのはルフトハンザとフィンエアーで、恐れすぎる必要はないが、もしギリギリの日程で渡航するなら、これらの航空会社を避けるのは一つの手段とされている。KLMやスイス、近年はエールフランも安定しているので、似た条件で渡航できるならこれらを選んだ方が安全だ。

サポート付き航空券

ストライキやトラブルが起きそうな航空会社を利用する場合は、サポート付き航空券を購入すると安心感が得られる。例えば、ツアーであれば旅行会社がサポートしてくれるが、航空券のみの場合は基本的には対応してくれない。ただし、HISはサポートが付く。

それが24時間サポートコールで、ケース2の「飛行機の欠航」に当てはまる。これはトラブルを相談できるというもので、HISが何かしてくれる訳ではないが、少しは不安が和らぐだろう。

ストライキの場合は"航空会社の指示に従う"のが原則なので、サポートコールを使ってもそのように言われるだけだが、この流れを知らない人には役立つ。また、海外で日本語で相談できるのは心理的にも大きい。あくまでも簡易的なものだが、パニックでどうすればよいか分からなくなった場合の道しるべになってくれる。
旅行中のトラブルに相談可能
▶ 24時間日本語サポートコール

まとめ

ヨーロッパの中でも、ストライキが多い国と少ない国があり、その国の文化や政治情勢、インフレによっても状況が変わる。近年、注意すべきはドイツで、ルフトハンザや空港のストが頻発しているので、もし乗り継ぎで他の国へ行く場合は考え直しても良いだろう。また、フィンエアーも近年ストが増えているので注意が必要だ。

安定している航空会社の一つとして、KLMオランダ航空があげられており、日本からそれなりの便数があり、またスキポールはヨーロッパのハブ空港の1つなので、乗り継ぎにも便利だ。ドイツとフィンランド系が不安定な今、リスクと利便性のバランスがとれた航空会社とされている。
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