フランクフルト空港とミュンヘン空港どちらが良い？ドイツ旅行・乗り継ぎ

イギリスやフランスと異なり、ドイツにはハブとされる空港がフランクフルトとミュンヘンに分かれています。それぞれの規模や特徴、違いを見ていきましょう。

フランクフルト空港
ードイツ最大のハブ空港
ーフランクフルト市内まで電車で15分と近い
ー長距離路線が多くヨーロッパ以外への乗り継ぎに便利

ミュンヘン空港
ードイツ第2のハブ空港で施設が新しく快適
ーミュンヘン市内まで電車で40分
ー南ドイツ（バイエルン州）観光の起点として便利

乗り継ぎについて
フランクフルト：空港が大きい分移動やセキュリティに時間がかかる
ミュンヘン：動線が分かりやすくEU域内の乗り継ぎがスムーズ

観光との相性
フランクフルト：ライン川流域、ケルン、ハイデルベルク
ミュンヘン：ノイシュヴァンシュタイン城、ザルツブルク、アルプス方面

欧州外への乗り継ぎを重視するならフランクフルト、南ドイツ観光や快適な空港体験を重視するならミュンヘンがおすすめです。

たしかに、以前は日本発着の長距離便はフランクフルトが中心でしたが、ここ10年ほどでミュンヘン便が増えてきています。その背景を紹介していきましょう。

1. ルフトハンザ航空のハブ戦略
ルフトハンザ航空はフランクフルトとミュンヘンの二大ハブ体制をとっています。フランクフルトはすでに発着枠が限界に近く、拡張が難しいため、比較的余裕のあるミュンヘンに長距離路線を振り分けるようになりました。

2. 空港の利便性と評判
ミュンヘン空港は「ヨーロッパで最も快適な空港」として高評価を受けており、乗り継ぎもしやすいです。旅行者の満足度が高いため、日本路線を置くことでアジア客に対するイメージ向上を狙っています。

3. 需要の分散
日本からの観光客は南ドイツ（ミュンヘン、ノイシュヴァンシュタイン城、アルプス方面）が人気です。仮に目的地がミュンヘンでない場合でも、南・東欧への乗り継ぎはミュンヘン経由の方が効率的な場合が多いです。

ルフトハンザとしては 「フランクフルト依存を減らし、ミュンヘンをもう一つの国際的ハブとして育てたい」 という意図が強くあり、日本を含むアジア路線はミュンヘンに発着にするケースが増えています。

フランクフルトの方が路線は充実していますが、ミュンヘンも主要都市はカバーしているので、多くの日本人が目的地とする場所であれば差はありません。

フランクフルト経由
ー空港規模が大きいため乗り継ぎ先の選択肢が非常に豊富
ー欧州内だけでなくアフリカ・南米路線もフランクフルトに集中している

ミュンヘン経由
ープラハ、アテネ、バルセロナなどへは地理的に近く時間短縮に
ー空港内の動線がわかりやすく乗り継ぎはフランクフルトより快適
ー便数はフランクフルトに比べ少ないが主要都市は十分カバー

ドイツ経由でアフリカなど他の大陸へ行く場合は差がありますが、ドイツ国内やヨーロッパの都市を目的地とするのであれば差はありません。

実はその通りで、「便数や行き先に大きな差がないなら、快適でミュンヘン空港を選びたい」「フランクフルトは巨大すぎて移動が大変だから、ミュンヘンの方が楽」という声もあります。

ミュンヘン空港は比較的新しく、動線もシンプルでわかりやすく、さらにヨーロッパの空港ランキングでも常に上位に入っているので、初めて利用する人にも安心感があります。圧倒的に多くの路線を求めない限り、ミュンヘンの方が使いやすいです。

日本で「ドイツ旅行」と言ったときに、この2つを比較するなら、フランクフルトよりもミュンヘンの方が知名度が高いといえます。

フランクフルト
ー金融都市・経済の中心地というイメージが強く観光地としては地味
ー見どころは旧市街、レーマー広場、ライン川周辺などコンパクト
ー観光拠点というより交通のハブとしての利用が多い

ミュンヘン
ーバイエルン州の州都でマリエン広場、ビアホールなど観光要素が豊富
ー南ドイツ観光（ノイシュヴァンシュタイン城、アルプス方面）の拠点にも
ードイツらしさをイメージしやすい都市

このように「漠然とドイツに行ってみたい」ならミュンヘンの方が合っています。フランクフルトは観光都市としては弱いので、「ドイツに行った」という実感を得やすいのはミュンヘンの方です。

ドイツの首都ベルリンは最も知名度のある都市ですが、日本からは直行便がなくフランクフルトかミュンヘンを経由する必要があります。それぞれの移動を見ていきましょう。

フランクフルト経由
ーフランクフルト～ベルリン間は便数が非常に多く所要約1時間
ー鉄道（ICE）も充実しており約4時間で移動可能
ー交通の要所なので接続の選択肢が多く安心感がある

ミュンヘン経由
ーミュンヘン～ベルリン間も航空便は豊富で所要約1時間10分
ー乗り継ぎ自体はフランクフルトより空港内の動線がシンプル
ー鉄道で行くなら約4時間30分

どちらもベルリンへの便数は十分にあります。ただし、フランクフルトは交通の要衝なので、ベルリンに限らずドイツ各地への移動には強みがあります。

私がドイツへ行くなら、ミュンヘン便を選びます。南ドイツ自体が観光地として優れていること、そして乗り継ぎに関してもフランクフルトに大きく劣らないことが理由です。

1. 観光都市としての魅力
フランクフルトは経済都市で見どころはありますが、観光地としては物足りなさがあります。一方ミュンヘンはマリエン広場を中心とした旧市街やビアホール文化が楽しめ、さらにノイシュヴァンシュタイン城やロマンチック街道など「ドイツらしい観光地」への拠点として最適です。漠然と「ドイツらしさを感じたい」と思った旅行者に応えてくれるのはミュンヘンの方です。

2. 空港の使いやすさ
フランクフルトは世界有数の巨大ハブ空港で、乗り継ぎ便の選択肢は豊富ですが、広すぎて移動が大変・混雑しやすいという声が多いです。ミュンヘン空港は動線がわかりやすく、欧州内乗り継ぎも比較的スムーズで、初めてでも迷いにくいです。

3. 便数とネットワークについて
フランクフルトはドイツ最大のハブ空港で便数・行き先ともにヨーロッパ屈指です。確かに選択肢の豊富さではフランクフルトが一歩上です。しかし ミュンヘンもルフトハンザの第二ハブとして整備されており、主要な欧州都市（パリ、ロンドン、ローマ、ウィーン、アムステルダムなど）には十分な便数があります。そのため、特定の小都市へ行きたい場合を除けば、乗り継ぎで困ることはありません。

ドイツへ来たという実感を得やすいのはミュンヘンの街であり、目的地がベルリンや他の欧州都市であっても、ミュンヘン経由で不便になることはほぼなく、むしろ快適に乗り継ぎできるというのが、私がミュンヘンを選ぶ理由です。