ヨーロッパへ行くなら欧州経由or中東経由？2025年の世界情勢から最適ルート

ヨーロッパへ行く際、「欧州経由」か「中東経由」か、どちらが良いかは以下のポイントで変わってきます。それぞれ見ていきましょう。

ざっくり結論言うと...
欧州経由：所要時間を短くしたい、乗り継ぎも短く
中東経由：快適さ・機内サービスを重視する
中東経由：航空券を安く取りたい


移動時間を短くしたい、スムーズに乗り継ぎたいなら欧州経由が、航空券を安く抑えたい、機内サービスを重視したいなら中東経由がおすすめです。

その通りで、航空路線の利便性や安全性は、世界情勢に大きく左右されるため、ヨーロッパ旅行での「欧州経由 vs 中東経由」のバランスも常に変動しています。

2022年以降：ロシア・ウクライナ戦争の影響
日本からヨーロッパへ向かう便がロシア上空を飛べなくなり、特に北欧（フィンランド経由など）の便は遠回りに。欧州系航空会社（フィンエアー・ルフトハンザなど）の所要時間が伸び、中東経由が有利になりました（所要時間が変わらず）。

2024年〜2025年：中東情勢の不安定化
ガザ情勢やイラン情勢などで中東地域の緊張が高まっており、空港や航空路の安全性が懸念される場面も。それにより、「中東＝危ないのでは？」という印象が観光客の間に広がりつつあり、中東経由に対する心理的ハードルが上昇しています。


安全性や情勢の変化に敏感なら、やや時間がかかっても欧州経由を選ぶ方が精神的に安心です。逆に、価格優先＋サービス重視なら、中東系航空会社は依然として魅力的です。

情勢が日々変化する現在では、「どちらが絶対に良い」という答えはなく、旅行者の属性や目的によって最適解が変わるというのが現実です。

家族旅行 → 欧州経由
・トラブル時に欧州内のサポート体制が整っている
・政治的リスクの低さ
・欧州内都市へのスムーズな乗り継ぎ（同じEU域内）

女性グループ → 欧州経由
・空港や乗継地での安心感
・ヨーロッパ系なら英語での案内に慣れていて対応しやすい

シニア層 → 欧州経由
・欧州の中でもフィンエアーやKLMがおすすめ
・乗継がシンプルで負担が少ない
・乗継地での言語・施設面での安心感

旅慣れている・一人旅 → 中東経由
・コスト重視でなるべく安く移動したい
・中東経由に慣れていたり海外に対して不安が大きくない
・中東の空港・航空会社は快適で安全管理も高水準

観光目的なら、欧州経由の方が多くの人にとって安心感がありおすすめです。一方で、旅慣れている人なら、あまり不安を感じないケースが多いので、中東経由でも問題ないでしょう。

中東経由が「命の危険がある」というわけではなく、むしろ実際のリスクは限定的ですが、現状では“心理的な不安感”の影響が大きいため、万人におすすめしづらくなっているというのが正確な表現です。

現実的なポイント
UAEやカタールは、安全管理が徹底されています。カタールがミサイル攻撃を受けた際も、一時的に空域が封鎖されるなど、渡航者の安全確保をするため予防的措置が取られました。その影響で、乗り継ぎなどで混乱も見られましたが、安全を重視した結果とも言えます。

おすすめしにくい理由
心理的要因：中東＝戦争・不安定というイメージが先行している
周囲の説得：なんであえて中東経由なの？と聞かれた時の説明が難しい
情勢の急変リスク：稀にフライトルートの変更・キャンセルがある
ニュース：実際の危険度よりも報道されている場所の近くだから不安

現在の空気感や不安感を考慮すると、「中東経由を気持ちよく使えるか？」というと、慎重にならざるを得ません。一方で、旅慣れていて情勢を見極められるというなら、今でも中東経由は選択肢になります。

フィンエアーを含む欧州系航空会社（特に北欧・ドイツ系など）は、近年ストライキが非常に多く、安定性の面で不安があるというのは、しっかり考慮すべき現実です。

欧州経由のリスク
フィンエアー：2023年以降ストライキが複数回発生し日本人にも多数影響
ルフトハンザ：空港職員・客室乗務員・パイロットなどのストで不安定


精神的な不安には欧州経由が有利ですが、運航の安定性では中東経由が上です。中東は情勢は不安定ですが、欠航はほとんど起こっていません。

2025年現在では、私なら欧州経由を選びます。理由は、やはり中東情勢が不安定だからです。

1.情勢が読みにくい
中東情勢は「直接的に危ない」わけではないものの、突然の空域制限やフライト変更、遅延・欠航の可能性があるという不確実さがどうしても拭えません。観光旅行は、楽しみにしていた日程や計画が狂うことが精神的にも大きなダメージになるので、「回避できる不安要素」はあらかじめ避けておきたいという判断です。

2.家族や同行者に説明しやすい
欧州経由は世間的にも印象がよく、たとえば家族に「このルートにした」と説明するときに、余計な心配を与えずに済むのも大きなポイントです。一人旅なら自己責任で中東経由でも構いませんが、誰かに「なぜそのルート？」と聞かれる状況では、“普通の選択”のほうが無駄な摩擦がないという現実的な面もあります。

3.安定性が高い欧州系
KLMやSWISSは、他の欧州系（ルフトハンザ・フィンエアーなど）に比べてストライキが少なく、近年も大きな混乱を起こしていません。アムステルダムやチューリッヒの空港・都市ではインフラが安定していて信頼できる環境でもあります。

今の情勢・印象・航空事情を踏まえると、欧州経由(安定したエアライン)をおすすめする立場です。どちらも間違いではないですが、今は欧州経由のほうがバランスが良いというのが一番現実的な答えです。