ZIPAIRでホノルル空港へ
LCCで行くハワイ旅行について解説
JAL、ANA、ハワイアンなどが競争を繰り広げるハワイ線。その中でも、ZIPAIR(ジップエア)は唯一のLCCであり、安くハワイへ行きたい人から支持されている。一方で、2024年冬ダイヤ(10~3月)では運休となり、その後も週3往復と当初の勢いは無くなってきている。果たして、ジップエアのハワイ便はどうなのか見ていく。


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ジップエアでハワイ 専門家役の解説 まとめ

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ジップエアでハワイ旅行

ハワイへ片道2万円台で行けると話題を集めたジップエア。日系LCCなので日本語が通じ、シートピッチも通常キャリアと変わらない79cmあり狭さを感じさせない。パーソナルモニターや機内食はないが、夜行便なので少し我慢したり持ち込みをすれば問題ない。となると、悪い選択には思えないが、それほど利用者は伸びていない。

理由はいくつかあるが、1つは他社と値段があまり変わらないこと。例えば2025年7月で見ると、ジップエアは片道4万円~で販売しているが、ハワイアンとデルタも4万円前後で販売されており差はない。それなら機内サービスがある2社の方が良く、発着空港も羽田なのでメリットが大きい。

2つ目は、ハワイはツアーが強く、ジップエアはこれに組み込まれていない。JAL系ということでJALパックにはあるが、2強のJTBとHISのハワイツアーにはほとんどない。実際に家族旅行でジップエアを使っている人は少なく、搭乗記や搭乗動画では、多くが1人旅か2人旅で使っている。

ハワイはツアーで申し込むと、トロリー乗り放題やラウンジが使えるなど特典が多く、家族旅行の場合、わざわざ個別でジップエアを取るメリットは大きくない。そのようなこともあり、運休や減便といった状態が続いている。
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専門家役はどう見る?

海外旅行や航空会社に詳しい専門家役に、ジップエアについて解説してもらう。これは膨大なデータや口コミから回答されているので、スペシャリストと同様に参考にできる。

初心者
ハワイへ行くのに、ジップエアを利用するのはどうでしょう?
専門家役
ジップエアでハワイに行くのは、コストを抑えたい人には良い選択肢だと思います。ただし、いくつか注意点もあるので、メリット・デメリットを整理していきます。

1. 安い運賃◯
LCCなので、時期によっては片道2万円台からチケットが買えることもあります。大手の半額以下になることも。

2. 新しい機材で快適◯
機材はボーイング787を使用していて、比較的新しく静かです。エコノミー席でも個人モニターはありませんが、USBや電源コンセントはあります。

3. フルフラットのビジネスクラス◯
LCCでありながら、フルフラットになるビジネスクラスを比較的リーズナブルに利用できるのも魅力です。

1. サービスはシンプル(無い)☓
機内食、飲み物、ブランケットなどすべて有料です。サービスは受けたいものだけ購入するスタイルなので、事前準備が必要です。

2. 荷物も別料金が基本☓
預け荷物、座席指定などもオプション扱いなので、トータル料金が思ったより高くなることも。予約時に細かくチェックするのが大切です。

こんな人におすすめ
・ハワイまでの移動に豪華さは求めずとにかく安く行きたい
・必要最低限の荷物・サービスで割り切れる
・フルフラット席に興味があるけど大金は出せない

初心者
快適性についてもう少し詳しく教えて下さい。JALやANAなどと比較してどうでしょう?
専門家役
ジップエアでハワイに行くのは快適なのか?という疑問は、多くの人が気にするポイントです。結論から言うと、LCCの中では快適だが、JAL・ANAのフルサービスと同等ではないといったところです。

比較項目 ZIPAIRJAL/ANA
シートピッチ約79cm約84〜86cm
シート幅約43cm約45〜47cm
座席リクライニングあり(薄型)クッション厚め・リクライニング深め
その他ヘッドレストなしヘッドレストあり

ジップエアの座席はLCCとしては広く、快適な部類ですが、やはりJALやANAのくつろぎ仕様には敵いません。とはいえ、狭くてつらいというほどではなく、機内に余裕もあり清潔感も高いです。

比較項目 ZIPAIRJAL/ANA
機内食有料(¥1,000〜2,000)無料(和食 or 洋食、飲み物・デザート付き)
映画自身のスマホ視聴パーソナルモニターで映画・音楽が楽しめる
ブランケット・枕なし(有料)無料貸し出し
飲み物有料無料(アルコール含む)

ジップエアは「徹底的にムダを省いた合理主義」です。なにもかも提供されるJAL・ANAの快適さとはやはり差があります。

初心者
利用者の搭乗記や動画を見ていると1人旅や2人での旅行が多いですが、なぜですか?
専門家役
確かに、ジップエアでハワイに行く利用者は1人旅や2人旅が多い傾向にあり、家族連れが主流のハワイ旅行の中では異色ともいえます。これはジップエアの料金体系やサービススタイルが、「旅慣れた個人」や「カップル、小グループ」向けに最適化されていることが大きな要因だと考えられます。

1. コストが人数分かかる(家族向きではない)
ジップエアは「基本運賃+オプション(食事、座席指定、荷物など)」のスタイルなので、人数が多くなるほど総額が増える傾向にあります。たとえば家族4人で機内食・荷物・座席指定を付けると、結果的にレガシーキャリア(JALやANA)と大差なくなります。

2. サービスが完全にセルフ型
子ども連れや高齢者を含む旅行だと、機内サービスやスタッフのサポートが安心材料になります。しかしジップエアは無駄を徹底的に省いたLCCスタイルなので、「家族向けの手厚さ」はありません。

3. フットワークの軽い旅行者との相性
たとえば「航空券だけ格安で取って、現地はAirbnbで自由に過ごす」というような柔軟でアクティブな旅行スタイルをする人に支持されやすいです。そうした旅は、やはり1人旅や2人旅が中心になります。

ハワイ=家族旅行というイメージがまだまだ強いですが、ジップエアを使って「気軽にハワイへ1人で行ってみる」という人には良い選択だと考えられます。

初心者
昨今は運休や減便をしており、あまり好調には見えませんよね...
専門家役
ジップエアのハワイ路線が2024年冬に運休し、2025年3月以降も週3便と減便になるという動きは、単に「気軽な1人旅需要」だけではハワイ路線を支えきれなかったという現実を示していると考えられます。

1. ハワイはやはり家族旅行が多い
ハワイ旅行は昔から「家族でゆっくり」「3〜5人グループで長めの滞在」というニーズが中心です。しかしジップエアはその特性上、荷物は1人分なら安く済むが、家族分では高くつき、サービスが少ないため、小さな子ども連れには不向きという面があり、家族旅行層が取り込みづらい構造になっています。

2. 旅行先の特別感とLCCの相性の悪さ
ハワイは今でも「特別な海外旅行先」という位置づけの人が多く、「せっかくハワイに行くならJALやANAで快適に行きたい」という心理が強いです。LCCの合理性よりも快適さ・安心感を重視する傾向があり、そこにズレがあったといえます。

3. 搭乗率が安定しない→減便・運休へ
例えば韓国やタイのように、「LCCでちょっと行ってくる」スタイルが定着している国と違い、日本からハワイをLCCで気軽に行くスタイルはまだ主流になりきれていないのが現状です。結果的に、シーズンによって搭乗率にムラが出やすく、運休や減便に踏み切ったとも見られます。

LCCの強み=安さ・個人の自由さを生かせる路線(アジア、北米本土)とは違い、ハワイは「快適性」「グループニーズ」「信頼性」への期待が大きいため、フルサービスキャリアと比べて選ばれにくかったのが現実でしょう。

初心者
ジップエアは旅行会社のツアーにもあまり入っていませんよね...
専門家役
ジップエアがハワイで苦戦した一因は、JTBやHISなど大手旅行会社のパッケージ商品に組み込まれなかったことが大きいと考えられます。

ハワイ旅行の主流=パッケージツアー
ハワイは、日本人にとって今も家族や新婚旅行、記念旅行で安心して楽しめる場所というイメージが強く、その需要に応える形で、長年にわたりツアーが主流となっており、様々な特典も用意されています。

・トロリー乗り放題
・空港〜ホテル間の送迎
・現地日本語サポート
・ワイキキのラウンジ利用
・アクティビティの予約・同行ガイド

こうした「手ぶらで行っても大丈夫」なツアーは、航空券だけでは完結しないハワイの旅行需要に非常にマッチしています。

ジップエアは枠組みに入れなかった
ジップエアはあくまで航空券単体での販売が基本で、JTB・HISなどの大手旅行会社のパッケージツアーにはほとんど組み込まれませんでした。大手ツアーの販路に乗れない ⇒ ツアーで行く一般層にアプローチできない ⇒ 個人旅行者だけが頼りの路線になってしまったという構図です。

アジア・北米路線は維持されている
・韓国や東南アジアは航空券+ホテルの個人手配が定着している
・ハワイと比べて現地の物価が安く若者の利用も多い
・北米は留学、出張、親族訪問などツアーに依存しない需要がある
・アメリカ人が日本への旅行にも使っている

ハワイ路線だけが異質だったとも言えます。個人旅行層だけでは座席が埋まりきらず、減便や運休という判断につながったと見るのが自然でしょう。

初心者
ハワイは、航空券を安く抑えてもホテル代や食費代などが高いですからね。
専門家役
そうです。ハワイは航空券だけ安ければいい場所ではなく、現地のコスト(ホテル・食事など)が高いため、旅費を安く抑えることはできません。そのため、LCCでの選択肢がそもそも候補に入らない人も多いです。

1. トータルで見て節約効果が薄い
・航空券が往復5万円安くなってもホテル1泊4~6万円+食費の高さ
・つまり航空券の安さが全体の旅行費用に与えるインパクトが限定的

2. 「快適さ」や「ブランド志向」が優先
・ハワイは記念旅行やご褒美旅行のイメージが強い
・せっかくならJAL・ANA・ハワイアンで快適にと考える人が多い
・機内食・映画・ブランケットなどが含まれたFSCの安心感が選ばれやすい

3. ハワイ旅行=ある程度余裕のある層
・ハワイは1回の旅行で予算100万円という人もいる
・そのため航空券の価格にそこまで敏感ではないことが多い

ジップエアやエアアジアXなど、ハワイにLCCで行ける手段があっても、それを選ぶのは1人旅やコストに敏感などニッチな層に限られがちです。一般的な層(家族・カップル・高齢層)は安さよりも安心・快適・ブランドを重視するため、JAL・ANA・ハワイアンなどを選ぶ傾向が強いです。

初心者
最後に博士ならジップエアを選びますか?
専門家役
私がハワイへ行くとしたら積極的には使いません。一人旅や旅行好きの友人とであれば使いますが、家族旅行や普通の友人との旅行であれば使わないでしょう。

シーン ZIPAIRを使う?理由
一人旅使うコスパ重視で必要最低限の快適さがある
友人(旅好き)使うコストを抑えた旅に共感してくれる
友人(普通)使わないせっかくのハワイにLCCは疑問を持たれる
家族旅行使わない荷物が多く手配も複雑。JALやANAのサポート・安心感が圧倒的
初めて使わない初回は全部おまかせで安心な旅にしたい
2回目以降使うことも航空券にコストをかけたくない場合に適している

ZIPAIRを使う場合◯
・JALグループ運航で安心感がある
→ 成田発着だが機材整備や運航の質は高くLCC特有の当たり外れ感がない
・必要なサービスを自分で取捨選択できる
→ 荷物や機内食、座席など自分に合ったものだけ選んでコストを抑えられる
・客層が落ち着いていて快適
→ 他のLCCよりもマナーが良く静かな雰囲気のフライト
・ZIP Full-Flatはコスパ最強クラス
→ JALビジネスクラスと同型のシートを10万円台で使えるのは破格

ZIPAIRを使わない場合☓
・初ハワイ → パッケージツアーで安心旅行
・子供・高齢者連れ → 荷物も多く食事やサポートがある方が圧倒的に楽
・旅行自体がご褒美 → 充実したサービスを選びたい

一人旅で気軽な旅行であればZIPAIRを選びます。特に「ZIP Full-Flat」が取れるなら、JALビジネスクラスに近い快適さを圧倒的安さで得られるのでベストな選択です。一方で、家族旅行や初めてのハワイであればJALやANAを選びます。「安いだけでは成立しない」のがハワイ旅行なので、旅の目的と同伴者によってベストな選択肢が変わる、というのが私の考え方です。

ジップエアはLCCの中では快適とされているので、安くハワイへ行きたい人には良い選択肢だとされている。一方で、使うシーンは1人旅やLCCを普段から使っている友人との旅行などに限られ、メインの家族旅行には使いにくいということだ。

まとめ

安くハワイへ行けると話題になったジップエアだが、現状を見る限りあまり利用者は増えていない。やはり、ハワイは家族旅行がメインであり、その場合サポートが充実しているJALやANA、ハワイアンの方が良く、機内食やパーソナルモニターがないのも、1人旅やLCCに理解がある人との旅行でなければ難しいとされている。

ジップエア自体の満足度は悪くないが、日本人にとって「ハワイは特別な場所」という位置付けなので、フルサービスキャリア、もっといえば特典の多いツアーが選ばれる傾向だ。
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